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読んでみました。佐々木俊尚『電子書籍の衝撃』



今回は佐々木俊尚『電子書籍の衝撃』のブックレビューです。紙の本はまだ発売されていないので、電子版のブックレビューとなります。

青空文庫は読んでいたのですが、有料の電子書籍を買うのはこれが初めてです。出版元のディスカバー21のサイトで手続きするのですが、購入確定してからクレジットの決済サイトに飛ばすなど、ちょっとわかりづらい作りでした。せめてもうちょっと説明を入れてくれたら戸惑わないと思うのですが。

PCからでもiPhoneからでもダウンロードが可能です。ただしiPhoneはアプリ内部でダウンロードができず、ブラウザーから落とさなければならないのが少し面倒でした。説明も不足でこちらもちょっと戸惑いました。iPhoneにインストールするにはディスカバー21のサイトからダウンロードする以外に方法がないようなのですが、1年間というダウンロード期限が決まっています。ということは1年後にiPhoneを買い換えるともう読めなくなってしまうのかも。何度も読み返したいような本は買えないですね。

さて、問題の読みやすさですが、こちらはPC版、iPhone版ともに問題なし。全く気にせずに読めました。ただ前の内容を確認したくてページを戻す操作なんかは若干難あり。あとメモを取りやすいようにコピペ機能が欲しかった。それは無理でもふせん機能(PC版にはあり)とか、全文検索機能は入れてもいいんじゃないかと。デジタルデータの良さをもっと生かしてくれたら評価が高まると思います。

本の内容はというと、電子書籍ネタ、出版業界ネタに興味がある人にとってはそんなに目新しい話ではないかもしれません。アップルが市場を制した音楽業界を参照しつつ、現在の出版業界の問題を抑え、それが置き換わっていく電子書籍の世界を展望していきます。

キモはたんに紙の書籍が電子書籍に置き換わるのではなく、出版社がコントロールしてきた外殻(著者の知名度とか今月の新刊とかシリーズ本とかということと理解)が失われ、あらゆる本がフラットに並ぶということ(本書では「アンビエント化」と)。

ゆえに従来の出版社を通さずに個人で出版するケースが増えていきます。これまでさまざまな業務を一括して担ってきた出版社は、本ではなくて作家単位でサポートする(講演活動とか関連活動を含めた)360度契約に移行するか、編集とかデザインとか一部のみを手がけるようになるかに変わっていく。

またあらゆる本がフラットに並ぶがゆえに、本と読者の出会いを用意する新たな場が必要になるが、それはソーシャルメディアが担うことになる。

という感じでしょうか。

細かいところでいうと、流通(取次)の話が1930年代から現在にすぱっと飛んでいたり、60年代のマルクスと80年代のニューアカブームがどちらも「記号消費」の一言ですぱっと切られているあたりとか、いろいろ違和感を感じるところもありました。あとやたらと口語調の文体も疑問(佐々木氏がネット記事で書いている文体ではダメだったのか)だったり。ちょっとなぁというところもあちこち。紙では新書1155円というちょっと高めの値段設定も気になります。とはいえ、問題、参照事例、展望がうまく整理されているのは事実。これから数年、話題になるであろう電子書籍問題の大枠を整理する意味では大変勉強になりました。


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